TERM GUIDE · DIGITAL

動画

「動画」とは

動画とは、多数の静止画を短い時間間隔で次々に表示することで、物体が動いているように見せる情報表現です。動画を構成する1枚1枚の静止画をフレームといいます。

動画では、静止画と同じように「画素数」「色の情報量」がデータ量に関係するだけでなく、

  • 1秒間に何枚のフレームを表示するか
  • 動画が何秒続くか
  • どのように圧縮するか
  • 1秒間にどれだけのデータを使用するか

などもデータ量や画質に大きく影響します。

フレームとフレームレート

動画を構成する1枚1枚の静止画をフレーム(frame)といいます。

例えば、1秒間の動画が30枚の静止画からできている場合、その動画は1秒間に30フレームを表示していることになります。

1秒間に表示するフレーム数をフレームレートといい、fps(frames per second)という単位で表します。

例えば、

  • 24 fps:1秒間に24フレーム
  • 30 fps:1秒間に30フレーム
  • 60 fps:1秒間に60フレーム

という意味です。

一般に、フレームレートが高いほど動きを細かく記録できるため、滑らかな動画にしやすくなります。ただし、同じ画質・同じ長さであれば、フレーム数が増えるためデータ量も大きくなりやすくなります。

フレーム数、フレームレート、再生時間には、次の関係があります。

総フレーム数 = fps × 再生時間(秒)

したがって、

再生時間(秒) = 総フレーム数 ÷ fps

となります。

例えば、60 fpsの動画が360フレームからできている場合、

360 ÷ 60 = 6

なので、再生時間は6秒です。

また、30 fpsの動画を20秒間再生する場合、

30 × 20 = 600

より、600フレーム必要になります。

時間が「分」で与えられている場合は、先に秒へ直して考えます。

例えば10分なら、

10 × 60 = 600秒

です。

動画の解像度

1枚のフレームが何個の画素からできているかを表すものが解像度です。

例えば、

1920 × 1080

の動画では、1フレームが

1920 × 1080 = 2,073,600

画素からできています。

解像度が高いほど、多くの画素を使って映像を表現できるため、細かな部分まで表現しやすくなります。一方で、1フレーム当たりのデータ量は大きくなります。

なお、1920×1080の動画だからといって、必ず1920×1080のディスプレイでなければ再生できないわけではありません。

動画は再生時に拡大・縮小できるため、異なる解像度のディスプレイでも再生できます。

色の情報量

各画素についてどれだけの色の情報を持つかも、動画のデータ量に影響します。

例えば24ビットフルカラーでは、1画素を24ビットで表します。

8ビット=1バイトなので、

24 ÷ 8 = 3

より、1画素当たり3バイトです。

無圧縮動画のデータ量

動画を圧縮しない場合、基本的なデータ量は、

1フレームのデータ量
×
1秒間のフレーム数
×
再生時間

で求めることができます。

つまり、

横の画素数
× 縦の画素数
× 1画素当たりのデータ量
× fps
× 秒数

です。

例えば、

  • 解像度:1920×1080
  • 24ビットフルカラー
  • 24 fps
  • 2時間

の無圧縮動画を考えます。

1フレームの画素数は、

1920 × 1080 = 2,073,600画素

です。

24ビットカラーは1画素3バイトなので、

2,073,600 × 3
= 6,220,800バイト

が1フレームのデータ量となります。

2時間は、

2 × 60 × 60 = 7200秒

です。

24 fpsなので総フレーム数は、

24 × 7200 = 172,800

フレームです。

したがって、

6,220,800 × 172,800

となり、

約 1.07 × 1012バイト

です。

1 TB=1012バイトとすれば、約1 TBとなります。

このように、無圧縮動画は非常に大きなデータ量になるため、実際の動画では通常、圧縮が利用されます。

ビットレート

動画のデータ量を考えるときには、ビットレートも重要です。

ビットレートとは、1秒間当たりに使用するデータ量を表す値です。

単位には、

  • bps
  • kbps
  • Mbps

などが使われます。

bpsはbit per secondの略で、「1秒間に何ビットか」を意味します。

ビットであり、バイトでないことに注意します。データ量の計算ではバイトにするために8で割ります。

例えば、

5Mbps

なら、1秒間に約5Mビットのデータを使用することを表します。

平均ビットレートが一定なら、

ビットレート × 時間(秒)

で求められます。

例えば、5 Mbpsの動画を5分間保存する場合、

5分 = 300秒

なので、

5 × 300 = 1500Mビット

です。

8ビット=1バイトなので、

1500 ÷ 8 = 187.5MB

となります。

したがって、

(ビットレート × 秒数)÷ 8

と考えることができます。

動画の圧縮

無圧縮の動画は非常に大きなデータ量になるため、通常は圧縮して保存・配信します。

動画の圧縮では、大きく分けて、

  • 1枚のフレーム内部の情報を減らす
  • 複数のフレーム間の共通部分を利用する

という考え方が使われます。

フレーム内の圧縮

1枚1枚のフレームを静止画と同じような方法で圧縮します。

各フレームのデータ量を小さくできるため、動画全体のデータ量も減らすことができます。

フレーム間の圧縮

動画では、連続するフレームの多くの部分が似ていることが多くあります。

例えば固定されたカメラで列車を撮影した場合、背景はほとんど変化せず、主に列車の部分だけが変化します。

そこで、

「前のフレームと同じ部分」

を毎回すべて記録するのではなく、

変化した部分を中心に記録する

ことで、データ量を減らすことができます。

カメラを固定すると圧縮しやすい

フレーム間の違いを利用する圧縮方式では、連続するフレームが似ているほど圧縮しやすくなります。

例えば列車を撮影するとき、

三脚でカメラを固定する

と、背景はほとんど同じままです。

そのため、主に列車の位置など、変化した部分を記録すればよくなります。

一方、

  • カメラを左右に動かす
  • 拡大・縮小する
  • 上下左右に不規則に動かす

と、背景を含む画面全体がフレームごとに変化します。

そのため、一般にフレーム間の共通部分を利用しにくくなり、同程度の画質を保つためには多くのデータが必要になりやすくなります。

非可逆圧縮と画質

動画では、データ量を大きく減らすために非可逆圧縮が広く使われます。

非可逆圧縮では、人間が知覚しにくい情報などを削減することで、データ量を小さくします。

ただし、一度捨てた情報を完全に元へ戻すことはできません。

特に、同じ解像度・同じfpsのままビットレートを大きく下げると、1秒間に使用できるデータ量が少なくなります。

その結果、

  • 細かな模様が失われる
  • 輪郭が不自然になる
  • 動きの激しい部分が崩れる
  • 四角いブロック状の乱れが見える

などの圧縮による画質劣化が発生することがあります。

このような圧縮によって生じる不自然な乱れを、圧縮アーティファクトなどといいます。

したがって、

ビットレートを小さくすると必ず解像度やfpsが変わる

わけではありません。

同じ解像度・同じfpsのまま、1フレームを表現するために使える情報量を減らすこともできます。その場合、画質が低下しやすくなります。

動画の用途と圧縮方式

動画の保存方式は、用途によって適切なものが異なります。

ネット配信用

インターネットで配信する場合は、

  • データ量
  • 通信速度
  • 画質
  • 再生開始までの時間
  • 多くの端末で再生できるか

などのバランスが重要です。

高画質でもデータ量が大きすぎれば、通信速度が追いつかず、再生が止まりやすくなります。

編集・保存用

動画を何度も編集する場合には、

  • 再圧縮による画質劣化
  • 編集のしやすさ
  • 保存容量

などを考える必要があります。

非可逆圧縮を何度も繰り返すと、情報が少しずつ失われて画質が劣化することがあります。

そのため、配信用と編集保存用では異なる形式や設定を使うことがあります。

コンテナ形式と圧縮方式の違い

動画ファイルでは、ファイル形式と圧縮方式を同じものと考えないことが重要です。

動画ファイルには、

  • 映像
  • 音声
  • 字幕
  • その他の情報

などをまとめて格納する仕組みがあります。この「入れ物」にあたる形式をコンテナ形式といいます。

例えば、

AVI

は動画用コンテナ形式の一つであり、拡張子として

.avi

が使われます。

しかし、拡張子が同じだからといって、

  • 内部の映像圧縮方式
  • 音声圧縮方式
  • ビットレート
  • 解像度
  • 画質

まで同じとは限りません。

コンテナ形式は「入れ物」、映像や音声をどのように圧縮・符号化するかは別の仕組みであると考えるとよいでしょう。

ストリーミング

動画配信では、ストリーミングという方式がよく使われます。

ストリーミングとは、

動画データをすべて受信し終える前に、受信済みの部分から順に再生を始める方式

です。

例えば2時間の動画を見る場合、動画全体を最初にダウンロードしてから再生する方式では、再生を始めるまで長時間待たなければならないことがあります。

ストリーミングでは、

  1. 動画の最初の部分を受信する
  2. その部分の再生を始める
  3. 再生している間にも続きのデータを受信する

という処理を行います。

そのため、大容量の動画でも比較的早く視聴を始めることができます。

さらに、ストリーミングは事前に撮影された動画だけでなく、ライブ配信にも利用できます。

バッファリング

ストリーミングでは、受信したデータをすぐすべて再生するのではなく、一部を一時的に蓄えておくことがあります。

この一時的な記憶領域をバッファといいます。

例えば、動画再生に毎秒5 Mbps必要であるとします。

通信速度が常に5 Mbpsを上回っていれば問題ありませんが、一時的に通信速度が3 Mbpsに低下すると、その瞬間に届いたデータだけでは再生に必要な量が不足します。

そこで事前に一定量の動画データをバッファへ蓄えておけば、一時的に通信速度が低下しても、蓄えておいたデータを利用して再生を続けることができます。

このように、バッファには一時的な通信速度の変動を吸収する役割があります。

ただし、低速状態が長時間続けば、バッファに蓄えていたデータを使い切ってしまいます。その場合は再生が停止します。

動画配信サービスでは、通信状況に応じて画質やビットレートを自動的に下げる仕組みと組み合わせることもあります。

EXAMPLE

例題

動画 · EXAMPLEITパスポートH27春期 問76(改題)

動画配信で用いられるストリーミングの説明として、最も適当なものはどれか。

  1. 0

    動画データをすべて保存し終えてから再生を始める方式

  2. 1

    動画データの一部を受信した段階で再生を始める方式

  3. 2

    動画の画質の低下を必ず完全に防ぐ方式

  4. 3

    配信前に撮影をすべて終えておく必要がある方式

解答・解説を確認

正解1.動画データの一部を受信した段階で再生を始める方式

解説

ストリーミングは、動画データをすべて受信する前に、一部を受信した段階で再生を始める方式です。

出典
ITパスポートH27春期 問76(改題)

PRACTICE

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