動画配信で用いられるストリーミングの説明として、最も適当なものはどれか。
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動画データをすべて保存し終えてから再生を始める方式
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動画データの一部を受信した段階で再生を始める方式
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動画の画質の低下を必ず完全に防ぐ方式
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配信前に撮影をすべて終えておく必要がある方式
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正解1.動画データの一部を受信した段階で再生を始める方式
解説
ストリーミングは、動画データをすべて受信する前に、一部を受信した段階で再生を始める方式です。
- 出典
- ITパスポートH27春期 問76(改題)
TERM GUIDE · DIGITAL
動画とは、多数の静止画を短い時間間隔で次々に表示することで、物体が動いているように見せる情報表現です。動画を構成する1枚1枚の静止画をフレームといいます。
動画では、静止画と同じように「画素数」「色の情報量」がデータ量に関係するだけでなく、
などもデータ量や画質に大きく影響します。
動画を構成する1枚1枚の静止画をフレーム(frame)といいます。
例えば、1秒間の動画が30枚の静止画からできている場合、その動画は1秒間に30フレームを表示していることになります。
1秒間に表示するフレーム数をフレームレートといい、fps(frames per second)という単位で表します。
例えば、
という意味です。
一般に、フレームレートが高いほど動きを細かく記録できるため、滑らかな動画にしやすくなります。ただし、同じ画質・同じ長さであれば、フレーム数が増えるためデータ量も大きくなりやすくなります。
フレーム数、フレームレート、再生時間には、次の関係があります。
総フレーム数 = fps × 再生時間(秒)
したがって、
再生時間(秒) = 総フレーム数 ÷ fps
となります。
例えば、60 fpsの動画が360フレームからできている場合、
360 ÷ 60 = 6
なので、再生時間は6秒です。
また、30 fpsの動画を20秒間再生する場合、
30 × 20 = 600
より、600フレーム必要になります。
時間が「分」で与えられている場合は、先に秒へ直して考えます。
例えば10分なら、
10 × 60 = 600秒
です。
1枚のフレームが何個の画素からできているかを表すものが解像度です。
例えば、
1920 × 1080
の動画では、1フレームが
1920 × 1080 = 2,073,600
画素からできています。
解像度が高いほど、多くの画素を使って映像を表現できるため、細かな部分まで表現しやすくなります。一方で、1フレーム当たりのデータ量は大きくなります。
なお、1920×1080の動画だからといって、必ず1920×1080のディスプレイでなければ再生できないわけではありません。
動画は再生時に拡大・縮小できるため、異なる解像度のディスプレイでも再生できます。
各画素についてどれだけの色の情報を持つかも、動画のデータ量に影響します。
例えば24ビットフルカラーでは、1画素を24ビットで表します。
8ビット=1バイトなので、
24 ÷ 8 = 3
より、1画素当たり3バイトです。
動画を圧縮しない場合、基本的なデータ量は、
1フレームのデータ量
×
1秒間のフレーム数
×
再生時間
で求めることができます。
つまり、
横の画素数
× 縦の画素数
× 1画素当たりのデータ量
× fps
× 秒数
です。
例えば、
の無圧縮動画を考えます。
1フレームの画素数は、
1920 × 1080 = 2,073,600画素
です。
24ビットカラーは1画素3バイトなので、
2,073,600 × 3
= 6,220,800バイト
が1フレームのデータ量となります。
2時間は、
2 × 60 × 60 = 7200秒
です。
24 fpsなので総フレーム数は、
24 × 7200 = 172,800
フレームです。
したがって、
6,220,800 × 172,800
となり、
約 1.07 × 1012バイト
です。
1 TB=1012バイトとすれば、約1 TBとなります。
このように、無圧縮動画は非常に大きなデータ量になるため、実際の動画では通常、圧縮が利用されます。
動画のデータ量を考えるときには、ビットレートも重要です。
ビットレートとは、1秒間当たりに使用するデータ量を表す値です。
単位には、
などが使われます。
bpsはbit per secondの略で、「1秒間に何ビットか」を意味します。
ビットであり、バイトでないことに注意します。データ量の計算ではバイトにするために8で割ります。
例えば、
5Mbps
なら、1秒間に約5Mビットのデータを使用することを表します。
平均ビットレートが一定なら、
ビットレート × 時間(秒)
で求められます。
例えば、5 Mbpsの動画を5分間保存する場合、
5分 = 300秒
なので、
5 × 300 = 1500Mビット
です。
8ビット=1バイトなので、
1500 ÷ 8 = 187.5MB
となります。
したがって、
(ビットレート × 秒数)÷ 8
と考えることができます。
無圧縮の動画は非常に大きなデータ量になるため、通常は圧縮して保存・配信します。
動画の圧縮では、大きく分けて、
という考え方が使われます。
1枚1枚のフレームを静止画と同じような方法で圧縮します。
各フレームのデータ量を小さくできるため、動画全体のデータ量も減らすことができます。
動画では、連続するフレームの多くの部分が似ていることが多くあります。
例えば固定されたカメラで列車を撮影した場合、背景はほとんど変化せず、主に列車の部分だけが変化します。
そこで、
「前のフレームと同じ部分」
を毎回すべて記録するのではなく、
変化した部分を中心に記録する
ことで、データ量を減らすことができます。
フレーム間の違いを利用する圧縮方式では、連続するフレームが似ているほど圧縮しやすくなります。
例えば列車を撮影するとき、
三脚でカメラを固定する
と、背景はほとんど同じままです。
そのため、主に列車の位置など、変化した部分を記録すればよくなります。
一方、
と、背景を含む画面全体がフレームごとに変化します。
そのため、一般にフレーム間の共通部分を利用しにくくなり、同程度の画質を保つためには多くのデータが必要になりやすくなります。
動画では、データ量を大きく減らすために非可逆圧縮が広く使われます。
非可逆圧縮では、人間が知覚しにくい情報などを削減することで、データ量を小さくします。
ただし、一度捨てた情報を完全に元へ戻すことはできません。
特に、同じ解像度・同じfpsのままビットレートを大きく下げると、1秒間に使用できるデータ量が少なくなります。
その結果、
などの圧縮による画質劣化が発生することがあります。
このような圧縮によって生じる不自然な乱れを、圧縮アーティファクトなどといいます。
したがって、
ビットレートを小さくすると必ず解像度やfpsが変わる
わけではありません。
同じ解像度・同じfpsのまま、1フレームを表現するために使える情報量を減らすこともできます。その場合、画質が低下しやすくなります。
動画の保存方式は、用途によって適切なものが異なります。
インターネットで配信する場合は、
などのバランスが重要です。
高画質でもデータ量が大きすぎれば、通信速度が追いつかず、再生が止まりやすくなります。
動画を何度も編集する場合には、
などを考える必要があります。
非可逆圧縮を何度も繰り返すと、情報が少しずつ失われて画質が劣化することがあります。
そのため、配信用と編集保存用では異なる形式や設定を使うことがあります。
動画ファイルでは、ファイル形式と圧縮方式を同じものと考えないことが重要です。
動画ファイルには、
などをまとめて格納する仕組みがあります。この「入れ物」にあたる形式をコンテナ形式といいます。
例えば、
AVI
は動画用コンテナ形式の一つであり、拡張子として
.avi
が使われます。
しかし、拡張子が同じだからといって、
まで同じとは限りません。
コンテナ形式は「入れ物」、映像や音声をどのように圧縮・符号化するかは別の仕組みであると考えるとよいでしょう。
動画配信では、ストリーミングという方式がよく使われます。
ストリーミングとは、
動画データをすべて受信し終える前に、受信済みの部分から順に再生を始める方式
です。
例えば2時間の動画を見る場合、動画全体を最初にダウンロードしてから再生する方式では、再生を始めるまで長時間待たなければならないことがあります。
ストリーミングでは、
という処理を行います。
そのため、大容量の動画でも比較的早く視聴を始めることができます。
さらに、ストリーミングは事前に撮影された動画だけでなく、ライブ配信にも利用できます。
ストリーミングでは、受信したデータをすぐすべて再生するのではなく、一部を一時的に蓄えておくことがあります。
この一時的な記憶領域をバッファといいます。
例えば、動画再生に毎秒5 Mbps必要であるとします。
通信速度が常に5 Mbpsを上回っていれば問題ありませんが、一時的に通信速度が3 Mbpsに低下すると、その瞬間に届いたデータだけでは再生に必要な量が不足します。
そこで事前に一定量の動画データをバッファへ蓄えておけば、一時的に通信速度が低下しても、蓄えておいたデータを利用して再生を続けることができます。
このように、バッファには一時的な通信速度の変動を吸収する役割があります。
ただし、低速状態が長時間続けば、バッファに蓄えていたデータを使い切ってしまいます。その場合は再生が停止します。
動画配信サービスでは、通信状況に応じて画質やビットレートを自動的に下げる仕組みと組み合わせることもあります。
EXAMPLE
動画データをすべて保存し終えてから再生を始める方式
動画データの一部を受信した段階で再生を始める方式
動画の画質の低下を必ず完全に防ぐ方式
配信前に撮影をすべて終えておく必要がある方式
正解1.動画データの一部を受信した段階で再生を始める方式
ストリーミングは、動画データをすべて受信する前に、一部を受信した段階で再生を始める方式です。
PRACTICE