「メディア」とは
メディア(media)とは、情報を表現したり、伝えたり、記録したりするための媒体や手段のことです。
私たちは、考えや出来事などの情報をそのまま相手に渡すことはできません。例えば、「今日の天気」という情報を伝える場合でも、文章で書いたり、写真を見せたり、声で説明したりする必要があります。このように、情報を扱うときには何らかのメディアが用いられます。
メディアは、その役割に着目すると、表現メディア・伝達メディア・記録メディアという観点から整理できます。
表現メディア
表現メディアは、情報を人が理解できる形で表現するためのものです。
例えば、
などがあります。
同じ情報でも、どの表現メディアを使うかによって伝わり方は変わります。
例えば、道順を説明するときには文章だけで説明するよりも地図を使った方が分かりやすい場合があります。
一方、音楽の特徴を伝えるのであれば、文章よりも実際の音声を聞いてもらう方が適していることがあります。
そのため、伝えたい内容や目的に応じて適切な表現方法を選ぶことが重要です。
伝達メディア
伝達メディアは、情報を送り手から受け手へ伝えるための媒体や仕組みです。
例えば、
などがあります。
伝達メディアによって、コミュニケーションの方法にも違いがあります。
例えば、同期型と非同期型という分類があります。同期型は、対面での会話や電話、ビデオ通話のように、送り手と受け手がほぼ同じ時間にやり取りする方法です。非同期型は、電子メールや新聞、Webページなどのように、送り手が発信した情報を受け手が後から確認できる方法です。
また、情報をやり取りする人数によって、一対一・一対多・多対多などに分類することもできます。
また、空気や光などの物理的な媒体を伝達のメディアということもあります。
記録メディア
記録メディアは、情報を保存して、後から利用できるようにするための媒体です。
例えば、
紙
HDD
SSD
USBメモリ
SDカード
CDやDVDなどの光ディスク
などがあります。
人の会話は、その場だけで終われば時間とともに失われてしまいます。しかし、文章として紙に書いたり、音声をデジタルデータとして保存したりすれば、後から同じ情報を利用できます。
記録メディアの発達によって、人間は情報を時間を越えて残したり、大量の情報を蓄積したりできるようになりました。
三つのメディアの関係
表現メディア・伝達メディア・記録メディアは、まったく別々に使われるものではありません。一つの情報を扱うときに、複数のメディアが組み合わされます。
例えば、スマートフォンで撮影した写真をSNSへ投稿する場合、
写真(静止画)として表現する → SNSやインターネットを通じて伝達する → スマートフォンやサーバにデータとして記録する
というように考えることができます。
つまり、
表現メディア:情報を「どのような形にするか」
伝達メディア:情報を「どのように届けるか」
記録メディア:情報を「どのように残すか」
という違いがあります。
マスメディアとソーシャルメディア
新聞、雑誌、ラジオ、テレビなど、不特定多数の人に大量の情報を伝えるメディアをマスメディアといいます。
印刷技術の発達によって同じ内容の文書を大量に複製できるようになると、書籍や新聞を通じて情報を広い範囲に伝えやすくなりました。その後、ラジオやテレビによって、さらに多くの人へ情報を届けられるようになりました。
これに対して、SNSなどのソーシャルメディアでは、一般の利用者も情報の受け手であると同時に送り手になることができます。投稿された情報が共有されることで、短時間に多くの人へ広がることもあります。
SNSでは閲覧履歴などをもとに、利用者が関心をもちそうな情報を推薦する仕組みが使われることがあります。その結果、自分の関心や考え方に近い情報に多く接し、異なる情報に触れにくくなる場合もあります。
メディアリテラシー
同じ出来事であっても、新聞、テレビ、広告、SNSなどでは、発信する目的や発信者の立場によって取り上げ方が異なることがあります。そのため、メディアから得た情報をそのまま受け入れるのではなく、
誰が発信しているのか
どのような目的で発信しているのか
主張を裏付ける根拠があるか
事実と意見が区別されているか
他の情報源と比べてどうか
などを考えることが重要です。
このように、メディアの特性を理解し、情報を批判的に読み解き、適切に活用・発信する能力をメディアリテラシーといいます。
コミュニケーションでは、どのメディアを使っても同じ結果になるわけではありません。緊急性が高ければ電話、記録を残したければ電子メール、多くの人へ同じ情報を伝えたければWebサイトなど、目的や状況に応じて適切なメディアを選ぶ必要があります。
また、情報を送っただけで必ず相手に正しく伝わったとは限りません。必要に応じて返答や質問などのフィードバックによって、相手がどのように受け取ったかを確かめることも大切です。