「可用性」とは
可用性(Availability)とは、情報セキュリティにおいて、必要なときに情報やシステムを利用できる状態を保つ性質のことである。
例えば、学校の学習システムに正しいIDとパスワードを持つ生徒がアクセスしようとしても、サーバの故障や停電によって利用できなければ、可用性が保たれているとはいえない。情報が漏れていなくても、内容が正しくても、「使いたいときに使えない」ことは情報セキュリティ上の問題となる。
情報セキュリティでは、特に次の三つを基本的な性質として考える。
機密性(Confidentiality):許可された人だけが情報を利用できること
完全性(Integrity):情報が正確で、勝手に改ざん・破壊されていないこと
可用性(Availability):必要なときに情報やシステムを利用できること
この三つを、それぞれの英語の頭文字からCIAと呼ぶこともある。
例えば、成績データについて考えると、関係のない生徒から見えないようにすることは機密性、点数が勝手に書き換えられないようにすることは完全性、教員が必要なときに成績処理システムを利用できるようにすることは可用性に関係する。
可用性が損なわれる原因
可用性は、システムや情報が利用できなくなるさまざまな原因によって損なわれる。
例えば、
サーバや記憶装置などの機器故障
通信回線の障害
停電
地震・火災・水害などの災害
ソフトウェアの不具合
サイバー攻撃によるサービス停止
ランサムウェアによるデータの暗号化
誤操作によるデータ削除
などがある。
可用性を高める「冗長化」
可用性を高める代表的な方法が、冗長化である。
冗長化とは、重要な装置や通信経路などを一つだけにせず、予備となるものを用意して、一部が故障しても全体を利用し続けられるようにすることである。
例えば、サーバを2台用意しておけば、1台が故障しても、もう1台へ処理を切り替えられる可能性がある。同様に、通信回線を複数用意しておけば、一方の回線に障害が発生しても別の回線を利用できる。
さらに災害への備えで、異なる地域や拠点にシステムを分散させることもある。一つの拠点が被災しても、別の拠点へ切り替えられれば、サービスを継続できる可能性が高くなる。
バックアップと可用性
バックアップとは、データが失われた場合に備えて、データの複製を別に保存しておくことである。
記憶装置が故障して元のデータが失われても、バックアップから復元できれば、再び情報を利用できる。そのためバックアップは、情報やシステムを利用できる状態へ復旧するための重要な対策である。