適切なアクセス権を設定することで効果がある対策だけを選んだ組合せはどれか。a: 大量の通信による攻撃を防ぐ。b: 情報漏えいを防ぐ。c: 画面をのぞき見されることを防ぐ。d: 権限のない人による改ざんを防ぐ。
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a、b
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a、c
- 2
b、d
- 3
c、d
解答・解説を確認
正解2.b、d
解説
アクセス権は、誰がどの情報を読んだり書き換えたりできるかを制御します。したがって情報漏えいや権限のない改ざんを防ぐ効果があります。
- 出典
- ITパスポートH26春期 問76(改題)
TERM GUIDE · DIGITAL
アクセス制御とは、情報やシステム、部屋などに対して、「誰が、何に、どのような操作をしてよいか」を決め、許可されていない利用を防ぐ仕組みです。
例えば、学校の成績管理システムについて、
というように、利用者によってできることを変えるのがアクセス制御です。
アクセス制御の対象は電子データだけではありません。例えば、関係者だけが鍵を開けられるキャビネットに機密文書を保管することや、許可された社員だけが特定の部屋に入室できるようにすることもアクセス制御です。
アクセス制御を理解するときには、認証と認可を区別することが重要です。
認証(Authentication)は、アクセスしようとしている人が「誰なのか」を確認することです。
代表的な方法には、
などがあります。
一方、認可(Authorization)は、認証された利用者に対して、どの情報や機能を利用してよいかを判断することです。
例えば、
という処理では、1~2が認証、3~4が認可に当たります。
つまり、
認証:あなたは誰ですね。
認可:あなたはこれをしてよいですよ。
という違いです。
利用者ごとに「何をしてよいか」を具体的に設定したものをアクセス権といいます。
代表的なアクセス権には、
などがあります。
例えば、共有フォルダについて、
| 利用者 | 閲覧 | 変更 | 削除 |
|---|---|---|---|
| 一般利用者 | ○ | × | × |
| 担当者 | ○ | ○ | × |
| 管理者 | ○ | ○ | ○ |
のように設定できます。
アクセス権を適切に設定すると、権限のない人による閲覧や変更、削除を防ぎやすくなります。
情報セキュリティでは、特に次の三つが重要です。
アクセス制御は、特に機密性と完全性を守るために重要です。
例えば、部外秘ファイルを許可された人だけが閲覧できるようにすれば、情報漏えいを防ぎ、機密性を高められます。
また、書込みや削除ができる人を制限すれば、権限のない人による改ざんや削除を防ぎ、完全性を守ることにもつながります。
一方、アクセス権を設定しただけでは、
などを直接防ぐことはできません。
アクセス制御が何を防げるのかを考えるときは、「権限のない利用を防ぐ仕組みか」という点に注目します。
アクセス権は、多く与えればよいわけではありません。
基本となるのが最小権限の原則です。
これは、
利用者には、業務に必要な範囲の権限だけを与える
という考え方です。
例えば、図書館システムを利用する全職員に図書データの削除権限を与える必要はありません。削除が必要な担当者だけに権限を与えればよいです。
また、
といった管理も重要です。
権限を必要以上に与えると、誤操作や内部不正が起きたときの被害が大きくなります。
システム管理者は一般利用者より大きな権限を持っているため、管理者による内部不正にも注意する必要があります。
そのため、
といった対策を行います。
複数人で一つの共通IDを使用すると、問題が発生したときに誰が操作したのか分からなくなるため、適切ではありません。
また、管理者本人だけが自分の操作ログを確認できる仕組みでは、内部不正の監視として不十分です。
重要な操作については、本人以外の人も確認できる仕組みを用意することが有効です。
誰が、いつ、どの情報やシステムにアクセスしたかを記録したものをアクセスログといいます。
例えば、
などを記録します。
アクセスログを残しておけば、不正アクセスなどが起こった場合に、後から状況を調査できます。
ただし、
アクセス制御=不正な操作を制限する仕組み
ログ=行われた操作を記録する仕組み
であり、役割は異なります。
両方を組み合わせることが重要です。
アクセス制御はコンピュータ上だけで行われるものではありません。
例えば、生体認証によって、
「この社員はサーバ室に入室できる」
「この社員は入室できない」
と判断する仕組みもアクセス制御です。
さらに、入室を試みた時刻や許可・拒否の結果を記録すれば、アクセスログとして利用できます。
ただし、入室だけを記録して退室を記録していない場合、
などは分かりません。
システムで何が分かるかは、実際に何を記録しているかを確認して判断する必要があります。
アクセス制御は電子ファイルだけを対象にするものではありません。
例えば、関係者外秘の紙文書であれば、
といった方法でアクセスを制限できます。
また、不要になった機密文書をそのままごみに捨てると情報漏えいにつながるため、シュレッダーなどで復元しにくい状態にして廃棄することも重要です。
つまり、情報は、
利用中だけでなく、保管から廃棄まで適切に管理する必要があります。
アクセス制御は、利用者だけでなくネットワーク通信に対しても行われます。
代表的な仕組みがファイアウォールです。
ファイアウォールは、あらかじめ設定された通信規則に基づいて、
通信を許可するか、遮断するか
を判断します。
判断材料として、
などが使われます。
例えば、学校のWebサーバについて、
という設定ができます。
このように、必要な通信だけを許可し、不要な通信を遮断することによって、不正アクセスの危険を減らします。
ファイアウォールは重要なアクセス制御の仕組みですが、すべての攻撃を防げるわけではありません。
例えば、
などは、ファイアウォールだけでは十分に防げません。
そのため、
など、複数の対策を組み合わせる必要があります。
Webサイトへのアクセスを制限するWebフィルタリングもアクセス制御の一種です。
代表的な方法には、ブラックリスト方式とホワイトリスト方式があります。
禁止するサイトを登録し、それ以外は原則として許可する方式です。
例えば、
をブラックリストに登録して遮断します。
利点は、登録されていないサイトを広く利用できることです。
一方、新しく作られた危険なサイトなどがまだ登録されていなければ、アクセスできてしまう可能性があります。
許可するサイトを登録し、それ以外は原則として遮断する方式です。
未確認のサイトにはアクセスできないため、強くアクセスを制限できます。
その一方で、新しく見つけた有益なサイトでも、リストに追加されるまでは利用できません。
まとめると、
ブラックリスト:禁止したもの以外は許可
ホワイトリスト:許可したもの以外は禁止
です。
データベース管理システム(DBMS)にもアクセス制御の機能があります。
例えば学校のデータベースなら、
というように、利用者や役割ごとに権限を設定できます。
DBMSを使うことで、データを一元的に管理するとともに、
などを管理しやすくなります。
機密性のあるデータを組織外の人と共有するときにも、アクセス制御が重要です。
例えば共同研究者一人だけとデータを共有したい場合には、
といった方法を組み合わせます。
つまり、
誰が・何を・どこまで・いつまで利用できるか
を明確にすることが重要です。
誰でも利用できる公開URLに機密情報を置く方法では、適切なアクセス制御ができません。
問題では、アクセス制御とは異なる対策が選択肢に混ぜられることが多くあります。
| 対策 | 主な目的 |
|---|---|
| 認証 | 利用者が誰かを確認する |
| アクセス制御・認可 | 何を利用してよいかを制限する |
| 暗号化 | 内容を第三者に読まれにくくする |
| デジタル署名 | 作成者や改ざんの有無を確認する |
| バックアップ | 消失・破損したデータを復元する |
| ファイアウォール | 通信を規則に基づいて許可・遮断する |
| ログ | 操作の記録を残し、後から追跡する |
例えば、
「権限のない人にファイルを読ませたくない」
なら、アクセス制御が適しています。
「通信途中で内容を盗み見られたくない」
なら、暗号化が必要です。
「ファイルが改ざんされていないことを確認したい」
なら、デジタル署名などが利用できます。
「ファイルが消えたときに元に戻したい」
なら、バックアップが必要です。
問題文で何を防ぎたいのかを確認して対策を選ぶことが重要です。
EXAMPLE
a、b
a、c
b、d
c、d
正解2.b、d
アクセス権は、誰がどの情報を読んだり書き換えたりできるかを制御します。したがって情報漏えいや権限のない改ざんを防ぐ効果があります。
PRACTICE